中小企業で頑張る“タンクん”に明日はあるのか?

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2015年06月23日

ペネトレイト・・・6

映画の中でこんなシーンを見たことがある。
“悪魔の戯れ” ・・・・でもこれは・・・・・・
映画のように、もしかしたら菜緒子は悪魔で、感染しているのか?
私は言い知れぬ恐怖を感じながら、家路についた。
結局あの男と話すことはできなかったが、刑事に聞いた話でなんとなく全体像がわかった。
わかったと言っても、民事再生と会社とサイト・白井部長の関係だけで、
私に起こっている出来事との関係はわかっていない。(会社のことだから関係ないわけではないのだが・・・)

民事再生申請する事でサイトと縁を切ろうとしたんだろう。
裏金がたまに会社に来ていた政治家との関係に使われていたに違いない。・・・よくある話だ・・・・

ただ、わからないのはその事と菜緒子の関係。
私の行く先には必ず菜緒子の陰がある。・・・・・菜緒子に操られているのか・・・・・・・・

そしてまた、私の行くところにあの刑事がいる。
これもどう言うことなのか?・・・・・偶然?それとも・・・・・・・・
道行くひと(全くの他人)のあの視線。そして“にやり”とする表情
白井恵美はなぜ“菜緒子”を恐れていたのか?
部長が知っている“菜緒子”は誰なのか?・・・・・・・・悪魔?・・・・・・・・・

私は “アナザーヘブン”のまなぶ を演じているのか?
“菜緒子の部屋に行かなければならない”
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
家に着くと妻が出迎えた。
『お帰り。ねぇ、あなた何か隠してるでしょ?』
『なにを?』
『とぼけちゃって・・』
・・・・・・・菜緒子のことは話せない。
『会社は大変だよ。計画実行のためになぁ・・』
『そうじゃなくて。あれ。』
妻はリビングに置かれた小包を指さして言った。
『私の誕生日プレゼント?』
『違うよ』
かわいい花柄の小包はプレゼントと間違ってもおかしくない。
私は慎重に小包を開けた。
ほのかな甘い香り。・・・・・・・・・そう菜緒子の香り・・・・・・・
  


Posted by タンクん at 07:12Comments(0)

2015年06月23日

ペネトレイト・・・7

急に手が震え出した。
中には茶色の手帳があった。
手帳を開くと“相原真”の文字が飛び込んできた。
菜緒子の手帳に間違いない。・・・・・・・でもなぜ?誰が?・・・・・・・
この手帳は警察にあったはず。あの刑事に間違いない。
彼はなぜこれを私に送りつけてきたのか?
手帳をめくると写真が落ちた。
その写真に写っていたのは・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私はまた奇声をあげ、震える手から写真がこぼれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
会社を休み菜緒子の部屋に急いでいる。

昨日は眠れなかった。
写真を見た私が嘔吐するのを妻は黙って見ていた。・・・・背後でそう感じた・・・・
あの“にやり”と同じ感覚。私は便器に突っ込んだ頭をしばらく出せずにいた。・・・・振り向けない・・・・
ようやく妻の気配が無くなったのを確認し、食事もせずそそくさと自分の部屋に閉じこもった。
・・・・・・・・あの手帳をもって・・・・・・・
写真には私の父が写っていた、傍らで菜緒子が微笑んでいる。
もう一枚には、中学生(白井部長の面影)とのツーショット。 菜緒子だ。

・・・・・・・・・菜緒子は時代を超えて生きている。・・・・・・・・

手帳には何人もの名前があった。細かい情報とともに・・・
それも有名人ばかり。
政治家・弁護士・芸能人・暴力団・外国人の名前もある。
年齢もさまざま。歴史教科書に出てくるような古い人まで・・・・・
記述の内容はまさに個人情報。
明らかに関係がないと判らない情報が多い。

やはり菜緒子は人間ではない。
いったい菜緒子の目的はなんなのか?
私は有名人ではない。菜緒子がなぜ私に興味を持ったのか? ・・・・・目的は?・・・・

全ての鍵は菜緒子の部屋にある。
・・・・どうしても行かなくては・・・・
  


Posted by タンクん at 11:12Comments(0)

2015年06月23日

アイソレイト・・・1

・・・“菜緒子の部屋”・・・
あの刑事の話から、うる覚えの住所をたどっている。・・・・・・・
“たしかこのマンションの3階 302号だった”
ふつうのマンション。ひとり暮らしのはず。ここの住人は死んでいる?はず。・・・
おそるおそるノブを回した。・・・・・・・・やはり開いている・・・・・・・・・
もし、菜緒子が私を導いているのなら、扉は開いているだろうと思っていた。
・・・・・・・・そう、私は導かれている・・・・・・・・・
中に入るとあの甘い香りが鼻を突いた。・・・・・・・・今ではなんとも不気味な香り・・・・・・・・
『誰かいますか?いませんよね』・・・・・・居るはずはない・・・・・・

部屋の中は “ガラン” として、まるで生活観など全くない。
古びた木のテーブルがポツンと中央に横たわっている。
椅子が2つ。向かい合わせに。
私は椅子に座ってみた。
壁にある比較的大きな鏡に私がうつっている。
ふと “2001年宇宙の旅” を思い出した。
鏡にうつった自分の姿を見ているうちにあることに気づいた。
・・・・・“私の唇の端が少し上がっている”・・・・・・・

今にもあの“にやり”を完結しそうな・・・・

・・・・・・・・・・突然、私の背後から女が出てきた。・・・・・・・・・・

・・・・ぬ~と・・・・・菜緒子は現れた。

『こんにちわ。待ってたわ。』
椅子から転げ落ちる。
『菜緒子。生きていたのか?』
『そうよ。私は死なない。』
『どう言うことだ?』・・・・・・・菜緒子の服はあの時と同じ・・・・・・・
『私は見えない。・・でも見てほしい。』
『君が私をここに連れてきたのか?』
『えぇ。簡単なこと。私は自由に誰にでもなれるから。』

・・・・誰にでもなれるとは?・・・・

  


Posted by タンクん at 21:28Comments(0)