2015年06月22日
ペネトレイト・・・4
私の奇行はすぐに“あらぬうわさ”になった。
『相原さん 何かしたんでしょ』
『刑事が来たからね』
『なんか事故を起したそうだし』
『会社のことでイライラしてたのかね~』
『最近。変だよね』
『ついでに不倫でもしてたりして・・』
『まさか~』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は早々に会社を後にし、そのサイトの事務所に行った。
美恵の話では小倉にある。
それにしてもあの“にやり”・・・・唇の片方だけ吊上げた・・・・・・
なんとも言い様のない表情。
・・・すべて知っている。これからが楽しみだ。・・・・・・・・
私は考えていた。あの“にやり”はどこかで見た事がある。・・・・・“何処だ”・・・・・
あの笑顔、そう菜緒子の笑顔。菜緒子の目。
女だから気づかなかったが、確かに同じ表情だった。
・・・・・・・・・・・・・・・なぜ・・・・・・・・・・・・
やっと見つけたその事務所はマンションの2階、全くそれらしくない。
こんな所で・・・今は何でも出来るんだ・・・
扉を開けようとした時、男が飛び出してきた。
追ってあの刑事がでてきた。
『待てこら。』・・・・・・・・・・・腕をつかむ・・・・・・・
『勘弁して下さいよ。』
『だめだ。もう逃がさん。』
『白井美恵をだましたんだな』
『バイト頼んだだけっすよ』
『よ~し。こっち来い』
その男の腕を背後にねじりあげて、階段を降りる。
刑事は傍らに立ちすくんでいた私に気づいた・・・・・・・
『相原さん 何かしたんでしょ』
『刑事が来たからね』
『なんか事故を起したそうだし』
『会社のことでイライラしてたのかね~』
『最近。変だよね』
『ついでに不倫でもしてたりして・・』
『まさか~』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は早々に会社を後にし、そのサイトの事務所に行った。
美恵の話では小倉にある。
それにしてもあの“にやり”・・・・唇の片方だけ吊上げた・・・・・・
なんとも言い様のない表情。
・・・すべて知っている。これからが楽しみだ。・・・・・・・・
私は考えていた。あの“にやり”はどこかで見た事がある。・・・・・“何処だ”・・・・・
あの笑顔、そう菜緒子の笑顔。菜緒子の目。
女だから気づかなかったが、確かに同じ表情だった。
・・・・・・・・・・・・・・・なぜ・・・・・・・・・・・・
やっと見つけたその事務所はマンションの2階、全くそれらしくない。
こんな所で・・・今は何でも出来るんだ・・・
扉を開けようとした時、男が飛び出してきた。
追ってあの刑事がでてきた。
『待てこら。』・・・・・・・・・・・腕をつかむ・・・・・・・
『勘弁して下さいよ。』
『だめだ。もう逃がさん。』
『白井美恵をだましたんだな』
『バイト頼んだだけっすよ』
『よ~し。こっち来い』
その男の腕を背後にねじりあげて、階段を降りる。
刑事は傍らに立ちすくんでいた私に気づいた・・・・・・・
Posted by タンクん at
07:10
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2015年06月22日
ペネトレイト・・・5
『やぁ。相原さん。どうしたんですか?』
『あ、いや。ここの人に用事がありまして・・・』
『知り合いですか?』
『いえ、あの~白井美恵さんって?』
『おたくの部長さんの娘。こいつにだまされてね。』
『だまされたって?』
『美恵を使って部長さんを脅してたんだよ。』
『この会社お宅の会社と関係あるでしょ?』
『えっ。この出会い系サイトが・・』
『知らないの?』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以前から会社はこのサイトを運用していたらしい。
会社はここでの収益を裏金として使用していたようだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私はその事を刑事から聞き、唖然としたが、妙に納得もしていた。
そう言えば民事再生後の説明会といい、計画案といい、規定よりずいぶん早い。
スピーディであるのはいいのだが、考えればいかにも計画倒産のようにも思える。
なぜ倒産させねばならなかったのか?
白井部長への脅迫と関係があるのではないか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
刑事がその男を連行していくのを後から見ていた。
階段を下りて行き車に乗せようとしている。
やじうまが集まってきた。
私は呆然とその“やじうま”を見ている。
その中のひとりが私を見ているのに気づいた。
私に正面を向いて凝視している・・・・・・・・女。
私と目が合ったとたん女は“にやり”と笑って歩き出した。
・・・・・・・あの“にやり”・・・・・・・・・・・・
私はまた恐怖を感じながらも、すぐに後を追った。
女の姿は何処にもない。
あきらめたとき道の向こう側の子供が私を見て“にやり”と笑った。
そして遠ざかるように歩き出す。
今度は信号待ちしている老人が人込みの中から私を見ている。
同じように“にやり”と笑い、ゆっくり歩き出した。
・・・・・“なんなんだ”・・・・・・・
『あ、いや。ここの人に用事がありまして・・・』
『知り合いですか?』
『いえ、あの~白井美恵さんって?』
『おたくの部長さんの娘。こいつにだまされてね。』
『だまされたって?』
『美恵を使って部長さんを脅してたんだよ。』
『この会社お宅の会社と関係あるでしょ?』
『えっ。この出会い系サイトが・・』
『知らないの?』
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以前から会社はこのサイトを運用していたらしい。
会社はここでの収益を裏金として使用していたようだ。
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私はその事を刑事から聞き、唖然としたが、妙に納得もしていた。
そう言えば民事再生後の説明会といい、計画案といい、規定よりずいぶん早い。
スピーディであるのはいいのだが、考えればいかにも計画倒産のようにも思える。
なぜ倒産させねばならなかったのか?
白井部長への脅迫と関係があるのではないか?
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刑事がその男を連行していくのを後から見ていた。
階段を下りて行き車に乗せようとしている。
やじうまが集まってきた。
私は呆然とその“やじうま”を見ている。
その中のひとりが私を見ているのに気づいた。
私に正面を向いて凝視している・・・・・・・・女。
私と目が合ったとたん女は“にやり”と笑って歩き出した。
・・・・・・・あの“にやり”・・・・・・・・・・・・
私はまた恐怖を感じながらも、すぐに後を追った。
女の姿は何処にもない。
あきらめたとき道の向こう側の子供が私を見て“にやり”と笑った。
そして遠ざかるように歩き出す。
今度は信号待ちしている老人が人込みの中から私を見ている。
同じように“にやり”と笑い、ゆっくり歩き出した。
・・・・・“なんなんだ”・・・・・・・
Posted by タンクん at
18:31
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