2015年06月25日
アイソレイト・・・2
『君は誰だ?』
『あなたよ。ず~と一緒に生きてきたわ。』
『な。なんだと。』
『私はあなたの意識の中に生きて来た。も~長いこと。私はあなたと共に生きてきた。
これからもずっと。』
『意識の中とはどう言うことだ?』
『私の生きる場所は、あなた達人間の脳裏。 “まこと” あなたは感じていたはずよ。
時に自分ではコントロールできない衝動にかられることはない?』
・・・・・・・誰にでもある。・・・・・・・・
『あなた達が苦しかったり、楽しかったり、時に今まで想像もできない行動を起こす時に、私は現れる。
人間が心の問題と考える事は全て私たちの行動の成果。』
・・・・・・菜緒子は私の中にいるのか?・・・・・・
『人は理性で善し悪しを区別する。でもそんなつまらない事はないわ。私はちょっと手助けをしてるのよ。』
『人は全ての行動に理由をつけたがるけど、理屈じゃなく、ふと行動する事に“喜び”を感じるでしょ。』
『頭で理解できないほどの“喜び”。それはどんな時でも、どんな場所でもあるわ。』
『私たちは人に“喜び”を与えているの。』
・・・確かにどうしようもなく行動してしまう事はある“衝動”・・・・
・・・自分の中にもう1人の自分を感じることがある・・・・・・・・それが“菜緒子”?・・・・・・・・
『もうひとりの私と言うことか?』
『そうとも言えるわね。』
『私達は人の意識の及ばないところに生きてきた。時に人の間を行き来したわ。』
・・・・・・・・あの“にやり”・・・・・・・
心地よい菜緒子の声を聞きながら私は眠ってしまった。
“喜び” とも “恐怖” ともつかない “心地よさ”
私は菜緒子との出会いからこれまでのことを感じながら深い眠りについていった。
Posted by タンクん at
07:42
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2015年06月25日
アイソレイト・・・3
眠りから覚めると、外は暗くなっていた。
開けられた窓から冷たい風が白いカーテンを揺らしている。
“どれくらい寝ていたのか”
私の脳裏に残る菜緒子の表情を思い出していた。
夢とも現実とも判らない感覚。
椅子に座りまた鏡を覗いてみた。
窓の外からネオンの灯が見える。
私の頭は殴られたように重い。
菜緒子の話が真実としても、なぜ私を導いたのか?
私は甘い香りを身にまとい、部屋をでた。
“紀美子も菜緒子になる瞬間があったのか?”
私の知らないところで・・・・・・・・
ネオン街を横切りながら、どうしようもなく悲しくなる自分を感じていた。
通りの人込みを眺め、こちらを見ている人を見つける。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今まで気づかなかったが、どこにいても、普通に歩いていても、“誰かに見られている”感覚を覚えることがあった。
・・・・・・・・・・・・それが普通・日常・・・・・・・・・・・・・・・
“目が合う” ことなどしょっちゅうある。
その時、何かを共有しているのだ。・・・・・・・・何を・・・・・・・・
菜緒子は私をなぜ導いたのか?
その答えがこの“日常の監視”にあるのではないか?
私が考えながら歩いていると・・・
・・・・『相原さん、相原さん』・・・・・・・男の声
あの刑事が声を掛けてきた。
『おい。お前知ってんだろ?教えろよ』
『菜緒子は、菜緒子はなんなんだ?』
むなぐらをつかみ、攻め寄った。
『離して下さいよ』・・・・・・・搾り出すような声
わたしは刑事に攻め寄っている。刑事に・・・・・・
『その顔ですよ』
『何のことだ』
『今、あなた笑ったでしょ・・・にやりと』
・・・私が笑っていた・・・
『私も気づかなかったんですが・・・時折そういう顔するらしいんです。』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・菜緒子が乗移っているのか・・・・・・・・・・・
開けられた窓から冷たい風が白いカーテンを揺らしている。
“どれくらい寝ていたのか”
私の脳裏に残る菜緒子の表情を思い出していた。
夢とも現実とも判らない感覚。
椅子に座りまた鏡を覗いてみた。
窓の外からネオンの灯が見える。
私の頭は殴られたように重い。
菜緒子の話が真実としても、なぜ私を導いたのか?
私は甘い香りを身にまとい、部屋をでた。
“紀美子も菜緒子になる瞬間があったのか?”
私の知らないところで・・・・・・・・
ネオン街を横切りながら、どうしようもなく悲しくなる自分を感じていた。
通りの人込みを眺め、こちらを見ている人を見つける。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今まで気づかなかったが、どこにいても、普通に歩いていても、“誰かに見られている”感覚を覚えることがあった。
・・・・・・・・・・・・それが普通・日常・・・・・・・・・・・・・・・
“目が合う” ことなどしょっちゅうある。
その時、何かを共有しているのだ。・・・・・・・・何を・・・・・・・・
菜緒子は私をなぜ導いたのか?
その答えがこの“日常の監視”にあるのではないか?
私が考えながら歩いていると・・・
・・・・『相原さん、相原さん』・・・・・・・男の声
あの刑事が声を掛けてきた。
『おい。お前知ってんだろ?教えろよ』
『菜緒子は、菜緒子はなんなんだ?』
むなぐらをつかみ、攻め寄った。
『離して下さいよ』・・・・・・・搾り出すような声
わたしは刑事に攻め寄っている。刑事に・・・・・・
『その顔ですよ』
『何のことだ』
『今、あなた笑ったでしょ・・・にやりと』
・・・私が笑っていた・・・
『私も気づかなかったんですが・・・時折そういう顔するらしいんです。』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・菜緒子が乗移っているのか・・・・・・・・・・・
Posted by タンクん at
16:56
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