中小企業で頑張る“タンクん”に明日はあるのか?

2015年06月17日

エボルブ・・・4

『会えるのか?』
『えぇ。もちろんよ。』

『おい。相原。どうしたんだ。聞いてんのか?』
『だから、これから月1千万返済していくんだって? できるのか?』

『なんとかできると思う。出来なかったらそれまでさ。』

『ほんとかぁ~。給料カットにボーナス無しだろ。』
『元気でないよなぁ』

彼の言うのも最もだった。
この時期みんな生活がかかっている。少しでも給料のいい所があれば、転職を考えるのは当然。
他人事じゃない。

『私。パートに出ようか?』
出がけの妻の一言が心につき刺さった。

社員の進路相談(ぐちの聞き役)・会社への要求・上司からの命令
まさに“あぁ~中間管理職”って感じだ。

それにしても問題は今日の密会。菜緒子は来るのだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夕暮れ
太陽がやけに赤く、長く伸びた人影から、ふと“エルム街の悪夢”にはじめて登場するフレディーの影を思い出した。
やけに喉が渇く。
・・・・・・・・最初に会った駅北口の中華店前で待っている。・・・・

寒さではなく、小刻みに手が震えている。
“菜緒子は生きていたんだ。いや、でも怪我は大丈夫なのか?
 まだ、3っ日しか経っていない。ほんとに菜緒子なのか?”

赤い黄昏の光を背に、黒のタクシーから女が降りてきた。
グレーの毛皮 白いミニスカート 長い髪

いでたちは菜緒子に似ている。



Posted by タンクん at 13:58│Comments(0)
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