アイソレイト・・・7
すべてを理解してしまった私の暮らしはこれまでとは違い、実に楽しい。
時に非日常の出来事を生み出すことを意図的に行っている。
雑踏のなかで、また病院内で、目の合った人が私に微笑みかけるのを心待ちするようになった。
それどころか、わざとこの事に気づかせようと企んだりもしている。
猟奇的殺人者など、精神異常と判断される者は、この事に気づいてしまったのだろう。
そして、奥底では、私たちも楽しんでいるのだ。
私は菜緒子にはなれないが、伝道者にはなれそうだ。
全ての人がこの事に気づくとき、人間社会は根底から変わってしまうだろう。
それでも、私は伝道者として、このあやうい時間(現在)を楽しみながら生きつづける。
そして、多くの同胞を見つけ続け、悦びを分かち合うのだ。
なんとすばらしい人生ではないか。
・・・・・・・・・・・全て菜緒子のお陰である。