アイソレイト・・・6
わたしは喜んでいる。
この非日常の出来事を。
そう。わたしには理解できてしまった。
菜緒子は私の、いや我々人間の欲望なのだ。
欲望が実体化した姿。だから楽しむときに現れる。
そう、楽しむときだけに・・・・
いつも脳裏に住み着いていると言う表現も理解できた。
菜緒子はただ楽しがっている。
目的なんてない。楽しければ・・・・・
楽しさの表現は人それぞれ・・・
それがSEXであろうと、犯罪であろうと、スポーツにおける勝利であったり、
労働であったり、自己実現であったり・・・・
最も現れやすい事が、非日常の出来事の場合。
その一瞬。人はなんとも言い様のない快感を感じるものだ。
私には理解できた。
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道行く人が私をみている。
目が合った瞬間“にやり”とする。
彼の中の菜緒子が私に期待しているのだ。
いや、私の菜緒子が彼を動かしているのかもしれない。
そうやって我々は日々快感を求めている。
菜緒子は私に“もっと楽しめ”と言いに来たのだ。
民事再生も楽しみの対象だったのか?
・・・・・・・・・・・・・・・・私はそれから・・・・・・・・・・