アイソレイト・・・4

タンクん

2015年06月26日 07:21

『相原さん。私も菜緒子を探しているんです。』
『多分探しながら、あなたを見張っていた。いや、導いていたのかも。』
『導くだと?何処に』
『さぁ。わかりません。・・・・菜緒子にしか』
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人は日常ではない一瞬、“にやり”という表情をする。
“やった”とか“しめた”とか、いつもと違う出来事を期待した時。

人は、心の奥底で日常はつまらないと思っている。
そして、非日常を期待している。
それが現実になる瞬間、“にやり”とスイッチを入れる。
そういえばいろんな場面で“にやり”を見てきたような気がする。
それが良い事でも、悪い事でも関係なく、非日常と言う意味では同じ。

菜緒子はそのスイッチを入れている。
脳裏と共に生きて・・・・・
だから、時代を超えて生きられる。

それにしても、私になぜそれを教えたかったのか?
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『どうすれば菜緒子に会える?教えろ』
『私にも分りません。ただ・・』
『ただ何だ?』
『ただ、普通じゃない事をすれば、会えるのでは・・・』

・・・・・・そう、菜緒子が私の中にいるなら、出せばいい・・・・・
・・・普通じゃない事をして・・・・・・・・

私の目の前にはナイフがある。
鏡にナイフを持った自分を映してみる。
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どうしても菜緒子に会いたい。
話がしたい。
疑問を解きたい。
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