アイソレイト・・・2

タンクん

2015年06月25日 07:42


『君は誰だ?』
『あなたよ。ず~と一緒に生きてきたわ。』
『な。なんだと。』
『私はあなたの意識の中に生きて来た。も~長いこと。私はあなたと共に生きてきた。
これからもずっと。』
『意識の中とはどう言うことだ?』
『私の生きる場所は、あなた達人間の脳裏。 “まこと” あなたは感じていたはずよ。
時に自分ではコントロールできない衝動にかられることはない?』

・・・・・・・誰にでもある。・・・・・・・・

『あなた達が苦しかったり、楽しかったり、時に今まで想像もできない行動を起こす時に、私は現れる。
人間が心の問題と考える事は全て私たちの行動の成果。』

・・・・・・菜緒子は私の中にいるのか?・・・・・・

『人は理性で善し悪しを区別する。でもそんなつまらない事はないわ。私はちょっと手助けをしてるのよ。』
『人は全ての行動に理由をつけたがるけど、理屈じゃなく、ふと行動する事に“喜び”を感じるでしょ。』
『頭で理解できないほどの“喜び”。それはどんな時でも、どんな場所でもあるわ。』
『私たちは人に“喜び”を与えているの。』

・・・確かにどうしようもなく行動してしまう事はある“衝動”・・・・
・・・自分の中にもう1人の自分を感じることがある・・・・・・・・それが“菜緒子”?・・・・・・・・

『もうひとりの私と言うことか?』
『そうとも言えるわね。』
『私達は人の意識の及ばないところに生きてきた。時に人の間を行き来したわ。』

・・・・・・・・あの“にやり”・・・・・・・

心地よい菜緒子の声を聞きながら私は眠ってしまった。
“喜び” とも “恐怖” ともつかない “心地よさ”
私は菜緒子との出会いからこれまでのことを感じながら深い眠りについていった。