ペネトレイト・・・7

タンクん

2015年06月23日 11:12

急に手が震え出した。
中には茶色の手帳があった。
手帳を開くと“相原真”の文字が飛び込んできた。
菜緒子の手帳に間違いない。・・・・・・・でもなぜ?誰が?・・・・・・・
この手帳は警察にあったはず。あの刑事に間違いない。
彼はなぜこれを私に送りつけてきたのか?
手帳をめくると写真が落ちた。
その写真に写っていたのは・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私はまた奇声をあげ、震える手から写真がこぼれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
会社を休み菜緒子の部屋に急いでいる。

昨日は眠れなかった。
写真を見た私が嘔吐するのを妻は黙って見ていた。・・・・背後でそう感じた・・・・
あの“にやり”と同じ感覚。私は便器に突っ込んだ頭をしばらく出せずにいた。・・・・振り向けない・・・・
ようやく妻の気配が無くなったのを確認し、食事もせずそそくさと自分の部屋に閉じこもった。
・・・・・・・・あの手帳をもって・・・・・・・
写真には私の父が写っていた、傍らで菜緒子が微笑んでいる。
もう一枚には、中学生(白井部長の面影)とのツーショット。 菜緒子だ。

・・・・・・・・・菜緒子は時代を超えて生きている。・・・・・・・・

手帳には何人もの名前があった。細かい情報とともに・・・
それも有名人ばかり。
政治家・弁護士・芸能人・暴力団・外国人の名前もある。
年齢もさまざま。歴史教科書に出てくるような古い人まで・・・・・
記述の内容はまさに個人情報。
明らかに関係がないと判らない情報が多い。

やはり菜緒子は人間ではない。
いったい菜緒子の目的はなんなのか?
私は有名人ではない。菜緒子がなぜ私に興味を持ったのか? ・・・・・目的は?・・・・

全ての鍵は菜緒子の部屋にある。
・・・・どうしても行かなくては・・・・